ネットトラブルの実例

なりすましメールが届いた時

 

他人になりすましてメールを送ることが出来ます。
この方法は高度なシステム技術を要するものから、簡単に誰でもなりすましメールが送れるサイトであったり、単純にWEB上のフリーアドレスから送られていることもあります。

 

部活など休んだり、辞めたりした瞬間から知らないアドレスから大量なメールが届くことがあります。

1日に100通を超える誹謗中傷メールが届けば大人ですら家から外に出るのが怖くなります。
このような事態が起きたらおかしなメールが届かないような手続きを行って下さい。契約している携帯電話のショップに相談すれば対策方法を教えてくれます。
場合によっては、アドレス変更をするか一旦電話を解約して新たに契約する必要があるかも知れません。



また、届いたメールは必ず保管をしておいて下さい。
状況によっては警察に被害届けを出して、発信者を確定し対応しなければならないケースもあるでしょう。
多くのケースは同じ学校の生徒が多いですから、学校と良く相談をされ指導をして頂くことです。
送られてきたメールの内容にもよりますが、警察に届け出をした場合加害者は補導なり、逮捕となりかねませんので慎重な対応が必要です。


名誉毀損などで告訴する場合は親告罪となりますので、警察の捜査で加害者が確定した段階で取り下げをして和解解決することも可能です。
将来ある子ども達が間違った方向に進まないように暖かく、見守る心も忘れてはいけないと思います。

実例から知る子ども達のネットトラブル

 

子供を巻き込むネットトラブルは、学校の先生が頭を抱えるネットいじめをはじめ、ニュースから流れてくるネット関連の事件など様々なことが起きています。


これらの実例から、今後も起きるであろうトラブルへの対策を見つけていくことができます。
ここで紹介させて頂く事例は私が間近で見てきた子供達のトラブルの一部です。
問題発覚から終結するまでの流れをみていますと、ネットトラブルだからといって特別なことをしないと解決できないわけではありません。


解決の方向性としては従来の子ども達の間で起きるトラブルと変わりはありません。
トラブルの切っ掛けやその手段としてメールやチャット、プロフといったツールが使われたに過ぎないのです。
子ども達の傷ついた心を癒すのは周りの大人がどれだけ子供と向き合うのか。
そして子供をとりまく環境をどのように整えてあげられるのかが大切です。

 

ネットを介したトラブルでもそうでないものでも、子供自身で解決できるのであれば何ら問題はないのです。
大人の役割は、子供自身で解決できない状況があった時、解決できるための具体的な方向性を示し、何が問題だったのかを当事者同士が気付けるよう導いていくことです。
トラブルによって心に傷を負った子供には、大人が真剣に向き合うことによってその心の傷は次第に癒されその子は日常生活に戻っていくことができます。


我々大人は常日頃から、いざというときに救いを求めてこられるような親子関係、人間関係を築くよう努力しておかなければならず、トラブル発生時に対応できるよう情報収集を心がけていかなければなりません。




オンラインの向こう側には

 

ある時、子ども達がパソコンに向かって、無料の魚釣りゲームをしているのを後ろから見ていました。

オンラインゲームですからインターネットを通じ、見知らぬ人と接触することが可能です。
釣れた魚をオンラインで繋がった人と交換することが出来る機能があるのです。


しばらくゲームをしていると「釣った魚を交換して欲しい」とのメッセージが、その子のパソコンに届きました。
次に「あなたの魚と私の裸の写真を交換して欲しい」とのメッセージが届きました。


このメッセージには危険性があります。


裸の写真と言う名のウイルスかも知れません。もし本当に裸の写真だとしても違法性があるかも知れません。
例え違法性がなかったとしても、子供に与える影響を考えれば、有害ととらえるのが常識的な判断と言えるでしょう。



このサイトは通常、健全に魚釣りゲームを楽しむことのできるサイトです。
普通に考えれば有害サイトではないはずですが、そうした場面を想定すれば、子供にとって何らかの害を及ぼす可能性は否定しきれないのです。



一見子供にとって有害サイトでないように見えてもオンラインの向こう側には害を与える人が存在する可能性があります。
利用時間が深夜になればその確立も高まるでしょう。

そもそも有害サイトの定義というのが曖昧なのですが、まず、不正請求をしているサイトは有害サイトといえるでしょう。
アダルトサイトが有害サイトと一般的には言われますがそれは未成年にとっての有害サイトとなります。


つまり違法性があるから有害サイト、違法性がないから有害サイトでないといった区別ではありません。



また、有害情報と有害サイトを一緒に考えるべきではないとも思われます。
未成年にとってのアダルトサイトは有害情報となります。サイトを利用することによって子供に何らかの害を及ぼす可能性のあるサイトは、有害サイトとして区分する考え方もあります。



子供にとっての有害サイトを突き詰めていけば、子供の年齢や保護者の考え方によって大きく変わってくるでしょう。



「何が我が子にとって有害であるのか」「我が子に何らかの害を及ぼす可能性」を頭に置いて子供に人気のあるサイトを見たり、親も自分で利用してみたりすると、今までとは違った視点で見ることが出来ます。

 

子供を有害サイトや有害情報から守っていくためには、第一に、フィルタリングソフトの導入が考えられます。フィルタリングソフトによって、一般的に有害情報が提供されていると考えられるサイトへのアクセス制限は掛けられますので、子供が危険に接する確立は下がります。フィルタリングの導入は子供にパソコンを利用させる上で最低限必要なツールと考えるべきです。

 

 ここで少しフィルタリングの仕組みを確認してみましょう。フィルタリングとは「有害サイトへのアクセスを規制するソフト」と解説されることが多いですが具体的にどのような方法で規制をしているのか簡単に仕組みについて考えてみます。

有害サイトをブロックする機能の仕組みは各社によって違います。掲示板サイトの多くにはURLに{cgi}といったプログラム名が入っていることが多いことからURLに{cgi}が入ったサイトにはアクセス制限を掛ける仕組みもあれば、肌色が一定のパーセントを超えた場合は裸の写真とみなして制限を掛ける仕組みもあります。各社とも色々な策を出してはいますが、元々の有害サイトの定義を決めきれないが為に、フィルタリングソフトを導入したから子供が安心して使えるとは言えないのです。

 

子供のネット利用にはフィルタリングが必要ですが、完璧なものではありません。ネットの世界は誘惑に負けない強い意志と危険を見極める判断力が必要となります。未熟な子ども達をそうした社会に送り出す以上、フィルタリングだけに頼らず、常に保護者が子供のネット利用状況に関心を持ち、会話し、情報を共有し、見守っていくことが大切です。つまり、「あなた自身がフィルタリング」となっていくことが、子供を守る最大で最善の方法なのです。

ブログ荒らし

 

私が一学期に講演させて頂いた中学校へ夏休みに伺う機会がありました。
希望者を募り勉強会を開催したのです。その勉強会の休憩中に3年生の女子生徒Aさんから

 

「ブログを荒らされた」「自分のブログを荒らした本人を特定する方法はないのか」

 

と尋ねて来ました。

 先ずはブログを見せてもらいました。
主に3人程度のメンバーが毎日コメントを寄せるような形で利用されておりブログというより掲示板といった感じのものでした。荒らされた部分は既に削除されていましたので見ることは出来ませんでしたが、彼女から話を聞くと落書きに近いようなコメントから、誹謗中傷なども書かれていたとのこと。

 

 

Aさん「犯人の検討はついているが証拠がないので言えない」

-犯人を特定して何がしたいの?(彼女は黙っています)

-謝らせたいの?それとも犯人を特定して殺したいの?(あえて極端な質問)

Aさん(慌てて)「殺したい訳じゃないです」

-良かった。恨んではいないんだね。でも少しは恨んでいるの?どうして犯人は荒らしをしたのだろう?

Aさん「それが知りたい」

-見当をつけている子との間に何かなかったのかな?自分が反省する点はないのかな?同じクラスの子のブログを荒らしたい心理ってどんな時に起きると思う?

Aさん(考えながら)「自分もいけなかったことがあるかも知れない・・・」

 

 

既に沈静化し現在荒らされることもなくなった今本人を特定して何ができるのでしょう?
私はそれ以上は聞きませんでしたが彼女に気づきがあり、心がスッキリしたならばそれで解決としました。

 

ネットに関するトラブルの要因の1つに相手が見えない状況があります。
それだけに相手の考えを確認することが出来ません。相手の行動から何がしたいのかを冷静に予測をすることによって対応策を考えることが来ます。今回の場合はブログを荒らされたことに怒りを感じ単純に「文句が言いたい」のが彼女の気持ちだったのでしょう。


仮に相手が特定できた場合、言いたいことを言ってしまえば解決になったのでしょうか?

彼女のブログは2度と荒らされることはなくなるのでしょうか?

大切なことは自分がターゲットにされた理由を考えることでしょう。
たまたまターゲットにされることもあるでしょうが、何か相手に刺激を与えてしまったことがあるのかも知れない。そこに気づくことが再発防止には必要だと思われます。子ども達がインターネットの世界に入り込むことによって複雑な状況が生まれます。

「危険だから使うな」では通らない現在どうしたら子ども達がインターネットの世界と上手く生活していけるのかを考えさせるようにしたいと思います。




ケータイの写真で生じた誤解の事例




学校へ寄せられた保護者からの相談で、携帯電話の写真機能にまつわるトラブルがありました。

A君とB君の二人が、学校帰りにC君の家に行く途中、蛙が車にひかれてせんべいのようになっていました。
偶然見つけたB君が余りにも見事にせんべいのようになっていたので、とてもめずらしいと思い携帯電話のカメラで写真を撮ってC君に送ろうとA君に持ちかけました。2人は撮った写真をC君にすぐに見せてあげようと、その場からC君にメールに添付をして送りました。

2人はきっとC君も珍しいものが見られたと喜んでいると思いC君の家に向かいました。けれど、C君の家に着くとC君のお母さんが出て来て叱られてしまいました。

 

C君のお母さんは2人に「死骸の写真を送ってこられたらビックリするし、こんな写真を見て喜ぶ人はいない」と注意をしました。2人はせんべいのように見事にペタンコになった珍しさを、話題のつもりでC君に伝えようとしたようですが、2人にしか分からないその場の雰囲気は伝わらずC君には「死骸の写真」以外のなにものでもなかったようです。

 

このように、面白い情報提供のつもりが嫌がらせと受け止められてしまうことがあります。
ふざけてシャッターを押しただけなのに、撮られた当人にとっては見られたくない表情をした顔写真だったということもあるでしょう。自分の思いと相手の思いは必ずしも一致しないのです。

 

日常生活の中では、発する側と受け手の側では一つの事柄に対して見解の違いが生まれることは多々あります。
これに対処するには、自分とは違う考えの人がいることを当然知っていなければなりませんし、次の展開を予測する力も求められるでしょう。こうしたことを経験上知っている大人であれば未然に防げるような誤解も、子ども達の少ない経験と未熟な判断力では正しい対応が難しい場合があるでしょう。


また、そうした考えの底辺には、相手のことを思いやる気持ちが育っていることが必要なのです。


私達大人は、ネット社会で生きる子ども達がそうした場面に対応できるよう、相手を思いやる精神面と、少ない経験を補う知識面の両面から育てていかなければなりません。

成績優秀な女子生徒が仲間外れにされてしまった事例



中学生のAちゃんとBちゃんは小学校時代から仲良しの友達でした。
中学に入り転校生のCちゃんが仲間に加わり3人はいつも一緒に行動していました。Aちゃんは小学生の頃から成績優秀で、学級委員をしていました。中学でもAちゃんは学級委員をしていて、それだけ人気もあったようです。

 

ある時Aちゃんが風邪で学校を休んだ時、Bちゃんは何気なくCちゃんに、Aちゃんに対する愚痴を話しました。その内容は、Aちゃんが言う意見がいつも通ってしまうとの内容です。Bちゃんの意見はいつも反映されないことにちょっと不満を持っていたようです。
しかしBちゃんは何かにつけてAちゃんに助けてもらっていたので、さほどAちゃんのことが嫌いではなかったのですが、Bちゃんの愚痴を聞いたC子ちゃんはそうした二人の微妙な関係を知りませんでした。

そこでCちゃんはBちゃんに「一緒にAちゃんを無視すること」を提案してしまったのです。そして、BちゃんとCちゃんは部活の友達などにも同じことをメールで知らせました。

 


その後、無視をされ続けたAちゃんはある日突然お母さんに「学校に行きたくない」と言い出しました。
理由を聞いたお母さんは「あなたが学校を休んでも何も解決しない」と説得して学校に通わせました。


それから1ヶ月してAちゃんはお母さんに「どうしても学校へ行きたくない」と言い出しました。
この1ヶ月の間にAちゃんの知らないところではメールを使った情報のやり取りがされクラスでは誰1人Aちゃんと口をきいてくれない状況になっていたのです。学年でも話をしてくれる子は僅かで多くの同級生がAちゃんを無視するようになっていました。

 

それを聞いたAちゃんのお母さんは学校へ相談に行きました。A、B、C共に保護者が学校に集まり話し合いをすることになりました。3人のクラスでは、BちゃんとCちゃんの親が先生に呼ばれたとことが分かると、自分の親も呼ばれてはいけないと思ったのか、周りの子達がAちゃんに話し掛けるようになりました。

 

担任、生徒指導と3人の保護者で事態を話し合った結果、

・   Aちゃんはクラスのまとめ役的存在であったために、結果として自分の意見の方向へ持っていってしまう傾向にあったこと。今後はみんなの意見を取り入れるように努力すること。 

・   Bちゃんは自分の意見をはっきり伝えるようにすること。

・   Cちゃんには、無視をすることがいかに人の心を傷つけるのかを理解させること。



こうしたことを確認しあうことができました。
その話が担任からあった後、Bちゃんのお母さんから「これは喧嘩ですか?いじめですか?」と質問がありそれに対する担任の答えは「Aちゃんから見えればいじめですし、BちゃんCちゃんからみれば喧嘩ですね」でした。
Bちゃんのお父さんは「先生がそんな風だから子供がぶれるのです。学校で子供が頼りにできる大人は先生なのだから意見ははっきりしてもらわないといけない」とコメントがあったそうです。


なにがいじめなのか?本人がいじめと感じればいじめであると言われます。
今回のような場合、担任がクラスの雰囲気をつかむことはできなかったのでしょうか?


本人がいじめと感じるかどうかという以前に「1人対大勢」の状況が確認できればいじめと判断して担任が自ら指導するべきではないかと思います。メールを使ったいじめはその行動が水面下で行われること。また進度が速いことなどが特徴として考えられます。1日あれば携帯電話を持っているクラスの子すべてに情報が流れる可能性もあります。
メールを使ったいじめは密室で会議が行われているようなもので大人が把握しにくい状況ですから、子供の様子を察知することが重要になります。家庭では、携帯電話が鳴っても直ぐに見ようともしない、自分の部屋に置きっぱなし等、今までとは違った行動に気づいたら本人と話し合ってみるなどして少しでも早い段階で発見し、解決できる策を見出していく努力が必要です。

 



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