文字会話(メール、掲示板、チャット、プロフなどのWEB会話)

1.≪文字会話だけでは伝わらないことがある≫


携帯電話やパソコンによる文字会話は、声の調子や顔の表情などが相手に伝わらないために誤解を招くケースがあります。また、文章の行間に深い意味や微妙なニュアンスが隠されている場合も多くあります。驚いたことに、子ども達の声を聞いてみると「メールで伝わらないことはない。」と信じているようです。と同時に「相手に送ったメールは、自分の思いをそのまま受け止めてくれる。」と信じて疑わない子供もいます。

自分の都合や想像でこうと決め込んで、そのイメージを前提に会話が進み後になってケンカになってしまうことも多々あるのです。

「文字会話だけでは伝わらないこともある」これを理解していない子供が多く存在しています。実際に会って行う会話と文字会話の違い、文字会話だからこそより深く考えなければいけない事柄、及び、時として顔を見て話し合う必要性も理解させなければなりません。

2.≪相手には相手の都合がある≫


子供達のメール交換で5分以内に返信をしないとこちらが無視をしたと判断されて、学校で実際に無視をされたり、これがエスカレートをしてクラスの中で仲間はずれになってしまうケースがたびたび見受けられます。

このような暗黙のルールがあるので食事中でも返信をしようとするようです。子供達には「メールを5分以内に返信しないと無視をしたととらえること」自体が間違っていると教えなければなりません。しかしこれは家庭内だけで伝えていても解決にはなりません。返信をしないが為にいじめの対象になってしまう可能性も考慮に入れれば、学校側が全児童・生徒に指導をしなければいつまで経っても解決をしないのです。

本来子供達が身につけて欲しいのは、「5分内ルール撤廃」よりも、「相手にも都合がある」といった相手のことを思う気持ちです。メールや電話は突然の訪問者であり相手がその時どんな状況にあるのかは分からず、返信ができない場合もあるということを充分に納得、理解させなければなりません。

3.≪自分と違う考え方の人がいることを認める≫


中学生にメールトラブルについて意見を聞いたところ、「皆自分と同じ考えだと思っていた」「自分の送ったメールは自分の意図を読み取ってくれると思った」など、意思の疎通をする上での基本的な部分が理解されていない場合があることが分かりました。

このような状態ではメールによる文字会話が原因でケンカが起きて当たり前です。

先ずは、世の中には色々な考えや感覚を持った人がいることを理解させ、表現によっては相手が自分の意図と全く違った解釈をしてしまうこともあるということを理解させなければなりません。

4.≪本当の気持ちを伝えることで、相手を傷つけることがある≫


頭に浮かんだことをそのまま表現すると、それが悪口と受け取られてしまうことがあります。

ある男の子の写真を見て"かっこいい""可愛い""普通""だらしない"など見る人によって感想は全く正反対なものになることは当たり前にあることです。男の子が"可愛い"と言われ傷つくこともありますし、自分でかっこいいと思っている子が"普通"と言われ傷つくこともあります。それは写真を見た人の単純な感想なのですが、本人が聞けば傷つくことがあるのです。

発言者は正直な感想をそのまま述べたつもりでも、それを聞く人にとっては誹謗中傷と受け止められることがあります。「正直に自分の考えを伝えることが正しい」と幼児期から教わっている子供にとっては、間違ったことをしているつもりはありません。

ある意味大人社会であるインターネットの世界では、その場の雰囲気を察する能力が乏しいがために周りから批判、攻撃を受けてしまうことがあります。文字会話では特にその場を察する情報に乏しく、子供に理解させるには難しい面が多々あります。

大人社会の経験のない子供にこうした複雑な状況を想定、想像させるには、絵本や昔話などのお話を用い、そのストーリーから疑似体験的にその状況を連想させるような努力が必要となります。

5.≪説明不足(部分的な認識・やり取り)が誤解を生むことがある≫


子ども達のメールのやり取りでは主語、述語が無く文章になっていない文字会話が目立ちます。また、タイトル無しのケースも多く見受けられます。

自分が今何について文字会話をしているのかわからない状況で事が進んでいることは多々あると思われます。自分の中ではある条件を前提としてのイエスが、相手にとっても同様であるかどうかを確認せずに文字会話が進み、誤解が生じ、ケンカに発展することもあります。

文字会話をする際にはテーマや背景を理解して会話する必要があります。その上で、全体の状況や相手の立場等を把握し、自分と相手双方の発言に対して判断する必要性があるのです。

6.≪次の展開を予測する力が必要となる≫


炎上したブログで援護発言をしたら自分がターゲットにされてしまうといったような、良いと思って発言したことが思わぬ展開に発展してしまうケースがネット上ではあり得ます。通常では親切とされる行為でもあだになってしまうことがあるのです。

多くのケースには賛成派と反対派が存在し、そのどちらにもあてはまらない意見も存在します。なんらかの意見を発した時、反感をかうことは常に予測、想定しなければいけないのです。

もし2手先、3手先まで予測することが出来たとしたなら、「今」起こす行動、判断が変わってくる可能性も十分考えられます。

子ども達が自分自身を守る為にも、次の展開を予測する想像力、判断力が重要なのです。



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